**成行は価格を指定しない注文、指値は売買する価格の条件を決める注文、逆指値は価格が決めた所へ来たら出す注文です。**違いが分かると、画面のボタンを押す前に「何を優先するか」を整理できます。
売買の注文は、お店へのお願いに似ています。「今ある物を買いたい」と伝える方法と、「この値段以下なら買いたい」と頼む方法では、待ち方が違います。投資では、待つ間に価格が変わり、希望どおりに取引できないこともあります。
成行は、その場の取引を優先する
は、買う価格や売る価格を指定せずに出します。株式では、指値に対して優先する仕組みがあります。ただし、画面に見た価格で必ず成立するという意味ではありません。相手の注文が少ないと、一度に全数量が成立しない場合もあります。
例えば、現在値が1,000円の株を100株買うとします。注文が届くまでに売り手の希望価格が1,005円へ動けば、代金は100,500円になることがあります。「現在値×株数」を入金すれば足りると決めず、注文画面で必要な余力を確認します。
指値は、価格の条件を置いて待つ
の買いなら「990円以下で買いたい」、売りなら「1,050円以上で売りたい」と決めます。買いの上限や売りの下限を決められますが、相手が現れなければ成立しません。画面で価格に触れたように見えても、自分より先の注文があるため、必ず買えるわけではありません。

図1:株の買い注文を単純にした模式図です。数量、順番、実際の市場の細かなルールは省いています。
安く買いたい気持ちから指値を使っても、そのまま値上がりして買えないことがあります。これは注文が壊れたのではなく、指定した条件に合わなかった結果です。買えなかった悔しさだけで、予定金額を急に増やさないようにします。
注文には有効期限もあります。当日だけか、一定期間かを確認します。以前に出した注文を忘れ、新しい注文を重ねると、想定より多く買う可能性があります。取消の操作をしたら、取消が完了したことまで確認します。すでに成立した取引は、注文取消で元へ戻せません。
逆指値は、価格が来たときの合図を決める
は、「株価が950円以下へ下がったら、売り注文を出す」などと予約する方法です。損失を広げたくないときなどに使われます。上がったら買うという条件にも使え、損切り専用ではありません。
重要なのは、950円という数字が発動の合図なのか、成立を求める価格なのかを分けることです。発動後を成行にすれば、急落で940円で成立することもあります。指値を指定する仕組みでは、価格の条件を守る代わりに、売れずに持ち続ける場合があります。
損失を金額で見る練習
1株1,000円で100株、10万円分を買い、数日後に売る架空の例です。往復手数料は合計200円、税金と配当は除きます。950円で売れたなら値下がり分は5,000円、費用を足した損失は5,200円です。
逆指値の合図が950円でも、急な動きで940円の成行売却になれば、損失は6,000円と費用200円で6,200円です。反対に1,080円で売れれば、値上がり分8,000円から費用を引き、7,800円の利益になります。

図2:100株を1,000円で買った数日間の架空例。往復費用200円を含み、税金・配当を除きます。950円は損失の上限保証ではありません。
値段の差が同じでも、10株と100株ではお金の増減が10倍違います。注文の種類を工夫する前に、数量を確かめる理由です。自分の予定する損失額を超える場合は、取引数量や取引そのものを考え直します。
同じ注文名でも、商品ごとの説明を読む
株式とFXの画面では、同じ指値という名前でも、受付時間や成立の判定が異なることがあります。特にFXは、買う価格と売る価格の2つがあります。どちらが条件の判定に使われるかを見ず、チャートの線だけで「届いたはず」と考えないようにします。練習では、チャートの価格と注文の判定価格を別々にメモすると違いを見つけやすくなります。
また、「注文受付」と「成立」は別の状態です。ボタンを押して受付番号が出ても、まだ買っていない場合があります。逆指値なら条件を監視している段階と、合図の後で発注された段階があります。保有一覧にあるか、注文一覧に残っているかを確認します。
数量の一部だけが成立することもあります。そのときは残った注文の数量を確かめてから次の操作を考えます。通信が遅くても同じボタンを何度も押すのではなく、まず一覧の状態を読みます。確認先を知っておくと、予定外の注文を減らす助けになります。
実際のケース:取引所の注文と証券会社の予約機能
JPXの売買制度では、成行と指値の基本を確認できます。一方、松井証券の逆指値の説明書では、条件に達しても必ず成立するわけではないことや、成行では想定から離れる可能性が説明されています。
この2つを分けて読むと、市場で受け付ける注文と、証券会社が条件を見張って発注する機能の違いが見えます。サービスによって、合図に使う価格や使える市場が異なります。記事の数字をそのまま設定せず、自分の会社の説明を読む必要があります。
また、FX会社が証拠金の状態を見て取引を終了すると、自分が置く逆指値は別の仕組みです。逆指値を入れたから証拠金の確認が要らない、とは考えません。通信や取引停止にも備え、注文状態を確認する場所を知っておきます。
まとめ:価格・数量・発動後の動きを一緒に見る
注文の違いは、何を条件にして、いつ出すかにあります。成行は画面の価格を保証せず、指値は成立を保証しません。逆指値も損失の上限を約束しません。希望だけでなく、外れたときにどうなるかまで確かめましょう。
次は、練習画面で3種類を読み比べよう
口座がある人は、注文を確定する前の確認画面で、売り買い、数量、価格、有効期限を順番に読み上げます。があるなら先に使い、逆指値の発動条件と発動後の注文を別々にメモしてください。口座を選ぶ人は注文機能を比較するポイントへ進み、説明書と練習画面を確認しましょう。