投資信託とETFの大きな違いは、買う場所と、買値の決まり方です。ETFも投資信託の仲間です。 この記事では、二つの関係、注文の違い、費用の見方が分かります。最後に、商品を一つずつ選び、違いをメモしてみましょう。
「名前が違うから、全く別の物?」と迷ったら、お菓子の詰め合わせを思い浮かべてください。中身と買い方を分けると、整理しやすくなります。
投資信託は、お金をまとめて運用する仕組み
投資信託は、多くの人から集めたお金を、運用会社が株や債券などに投資する商品です。債券は、国や会社などがお金を借りるときに発行するもの。何に、どのくらい投資するかは商品ごとに違います。
詰め合わせのお菓子なら、袋の名前だけでなく、中身を見て選びますよね。投資信託も、日本の株が中心なのか、海外の株なのか、債券も入るのかを見ます。買った人が、中の株を一つずつ直接持つわけではありません。
ETFは「上場投資信託」のこと。上場とは、取引所で売買できるようになることです。つまり、投資信託という大きなグループの中に、ETFがあります。ブラックロックの解説でも、この関係と取引方法の違いが説明されています。

図1:相場図鑑作成。分類を表す模式図です。ETFと投資信託が、別々の仲間という意味ではありません。
ここからは、上場していない一般的な投資信託を「通常の投信」と呼び、国内の取引所で売買するETFと比べます。
買値はいつ分かる?注文の仕方を比べよう
通常の投信は、販売会社に購入を申し込みます。多くの場合、申込時点では、その注文に使う値段はまだ決まっていません。あとで決まる「基準価額」をもとに買います。基準価額は、中に持っている資産などから計算した、決まった口数あたりの価値です。
一方、ETFは、証券会社を通じて取引所へ注文を出し、そのときに成立する市場価格で売買します。市場価格は、買いたい人と売りたい人の注文によって動きます。画面に出た値段で必ず買える、という意味ではありません。
| 比べる点 | 通常の投信 | 国内上場のETF |
|---|---|---|
| 申込先 | 取り扱う証券会社や銀行など | 証券会社を通じた取引所 |
| 買値の基準 | 注文に適用される基準価額 | 注文が成立した市場価格 |
| 価格の指定 | 通常は値段を指定しない | 指値・成行などを使える |
これは一般的な比較です。申込締切や、どの日の基準価額を使うかは商品の説明で確認します。JPXの比較表も、注文時に価格が分かるかを分けています。
例えば、架空のETFを「1口2,000円以下なら5口買いたい」と注文します。これはです。2,000円で全て成立すれば、代金は1万円。条件が合わなければ買えないこともあります。は価格を指定せず、成立できる価格で取引する方法です。

図2:国内の一般的な買い方と架空の計算例です。手数料を除きます。ETFの売買単位は商品で違い、実際の価格ではありません。
費用と中身を、別々に確かめよう
通常の投信にもETFにも、持っている間の運用管理費用があります。「信託報酬」と呼ばれる費用は、商品内の資産から差し引かれるため、毎日財布から払わなくても負担しています。売買時の手数料なども、商品や会社の条件で異なります。
「売買手数料が無料」でも、持っている間の費用までゼロとは限りません。ETFでは、同じ時点の売値と買値に差があることもあります。広告の無料という言葉だけでなく、商品説明と証券会社の料金を両方見ます。
費用の割合は、金額に直すと実感しやすくなります。例えば、仮に残高が一年間ずっと1万円で、年0.5%の費用だけがかかる単純な計算なら、負担は50円です。実際には残高が日々変わり、ほかの費用もあり得ます。この0.5%は説明用の数字で、特定の商品の料金ではありません。
買う前には、「目論見書」という商品の説明書を開きましょう。難しい名前ですが、投資先や運用方針、費用、主なリスクを確かめる資料です。二つの商品の説明を並べれば、同じ日本株向けでも、中身や負担が同じとは限らないことに気づけます。
投資先を分ける分散投資も、損失をなくす仕組みではありません。架空の1万円分の資産が、費用や分配金を除いて10%上がれば1万1,000円。10%下がれば9,000円です。多くの株を持っていても、市場全体が下がれば、一緒に値下がりすることがあります。
ETFなら全て同じ動きをするわけでもありません。JPXのFAQには、指数への連動を目指す型と、連動する指数を持たないアクティブ運用型が紹介されています。「指数」は、複数の価格をまとめて市場の動きを表した数字です。名前より、投資する中身を先に見ましょう。
実際のケース:公式サイトで「二つの価格」を探す
ETFには、市場価格と基準価額の二つがあります。大和アセットマネジメントのFAQも、それぞれの計算・値付けの違いを説明しています。中身から計算した価値と、取引所で成立する価格は、いつも同じではありません。
JPXの価格案内では、基準価額は運用会社などの公表情報、市場価格は上場ETF一覧の証券コードから調べる方法が示されています。これは実際に使える、調べ方の例です。
比較するときは、何口あたりか、何日時点かをそろえます。昨日の基準価額と、今日動いている市場価格が違うだけで「安く買えて得」とは決められません。数字の横の日付と単位まで読む練習になります。
まとめ:仲間は同じでも、買い方は違う
ETFは投資信託の一種。通常の投信はあとで決まる基準価額、ETFは取引所で成立する市場価格が買値の基準です。買い方を理解したうえで、中身と費用、値下がりしたときの損失を確かめます。
次は、商品を二つ並べてメモしよう
今は購入せず、通常の投信と国内ETFを一つずつ調べ、「投資先・買値の決まり方・売買単位・費用」を四行で書いてみましょう。口座が必要なら、証券口座の比較で取扱商品と料金を確認します。生活費と分けた予算が決まってから、使う口座を選べば大丈夫です。