**トレンドラインは高値や安値を結ぶ斜めの補助線、押し目は上昇の途中にある一時的な値下がりです。**ただし、その場で一時的な下落か、長い下落の始まりかは決まりません。この記事では、線を引く順番と、考えが外れたときの見直し方を図で学びます。
階段を上る途中で一段休む様子を思い浮かべてください。全体では上へ進んでいても、ずっと同じ速さではありません。価格も上がったり下がったりします。ただし、次も上る予定が決まっている階段と違い、相場の先の段はまだありません。
山と谷が、どちらへ移っているかを見る
価格の大きな流れをトレンドといいます。高値と安値が前より高い位置へ移るなら上向き、反対に低い位置へ移るなら下向きを考える材料になります。一つの上昇だけで、全体が上向きと決めるものではありません。
図1の架空の株では、安値が1,000円、1,030円、1,060円と順に高くなります。最初の二つの安値を結び、右へ延ばした線がの例です。3回目が近くへ来たとき、線との関係を観察します。

図1:架空の日足の終値。2日目1,000円と6日目1,030円を結ぶ上向きの補助線。10日目1,060円は後から加わる確認点です。
線を引けるのは、二つの点が確認できてからです。図にある線を最初の日から知っていたことにはできません。また、「ここが安値だった」と分かるには、そのあと価格が上がるのを待つ場合があります。
線は、選んだ点で変わる
ローソク足のいちばん下を結ぶか、終値を結ぶかでも線は変わります。この記事の図は、説明を簡単にするため終値の谷を使っています。別の画面でヒゲの先を使うなら、その方法を先に決めましょう。
都合の悪い足だけを飛ばし、あとから線を引き直すと、いつでもきれいな上向きに見せられます。線を変更するなら、元の線と変更理由を記録し、最初からその線があったようには扱いません。
また、価格の縦の縮尺や画面の横幅を変えると、見た目の角度は変わります。45度だから強いなどと角度だけで判断せず、何日で何円変わったかを確認します。別の銘柄の傾きとも、そのまま比較できません。
押し目は、上昇の途中にある下がり方
は、全体として上がる途中に一時的に下がる動きです。図2では1,120円から1,080円へ下がったあと、再び1,140円へ進む道と、1,020円へ下がる道を比べました。

図2:架空の二つの経路。上昇途中の下落から再上昇する例と、下落が続く例。分岐した後の未来は、分岐点ではまだ分かりません。
後から図を見れば、再上昇した方を押し目と呼びやすくなります。しかし1,080円へ来た時点では、その後の道は分かりません。「前より安くなった」という理由だけでは、下げ止まりを確かめたことにならないのです。
たとえば「前の谷を保ち、昨日の高値を終値で上回ったら観察する」と決める方法があります。これは条件の置き方の一例で、最適な買い方ではありません。確認を待てば買値は高くなる場合もあり、その分を含めて考えます。
線を下回ったら、すぐ下落が決まる?
斜めの線を一度下回っても、横ばいになったり、上へ戻ったりする場合があります。線を越えることだけと、前の重要な安値を下回ることは別です。何を確認しているかを分けましょう。
一方で、「また戻るはず」と線を下へずらし続けると、下落を見直す条件がなくなります。たとえば直前の谷を終値で割ったら最初の上昇の見方を保留するなど、外れたと考える条件を先に書くことが役立ちます。
100株を1,100円で買い、1,050円を終了の目安にするなら、費用前の予定損失は5,000円です。線を1,000円まで下げて待つと、同じ数量では1万円になります。線の修正は単なるお絵描きではなく、損失の計画にも関わります。
上向きの線を引けない期間もあります。安値がばらばらなら、きれいな斜め線へ無理に当てはめず、横ばいか判断が難しい状態として記録します。線を引かない判断も、観察の一つです。
実際のケース:StockChartsとFidelityの教材
StockChartsの公式ガイドは、上昇線では切り上がる安値を結び、さらに接点を確かめる見方を紹介しています。選ぶ点や線の角度を考える実在の教材です。
Fidelityの公式チャート教材でも、線の突破、元の方向に戻る動き、確認の条件などを扱っています。道具や読み方が紹介されている事実と、その方法で利益が出ることは別です。
両社の図をここへ転載しているわけではありません。この記事の二つの図と数値例は独自に作った架空例です。実際の銘柄で同じ間隔や値幅になるとは考えないようにしましょう。
練習では、右側を隠して考える
すべての未来が見えるチャートでは、止まった谷だけを選びがちです。途中の日より右を隠し、その時点で引ける線だけを残してみましょう。翌日を一日ずつ開き、線や谷がどう変わるかを記録します。
線に触れず上がった日も、線を割って下がった日も対象です。「うまく押し目にならなかった」と書けることが、きれいな例だけ集めるより大切です。観察の条件をそろえると、読み方の限界も見えてきます。
まとめ:線と下落の呼び名を、後付けにしない
トレンドラインは選んだ過去の点を結ぶ補助線です。押し目かどうかは、その後の動きで初めて分かる部分があります。線を引いた時点と見直す条件を残し、数量に応じた損失も計算することが基本です。
次は、自分の口座で二つの谷を結ぼう
日足を開き、右側の未来を隠して安値の候補を二つ探します。その時点で線を引き、次の5本で何が起きたかを一日ずつ見てください。線を引き直した場合は、元の線もメモへ残しましょう。
口座を探す人は、描画の保存、過去の移動、練習画面の有無を口座・ツールの比較で確認できます。売買には損失があり、斜めの線が資金を守るわけではありません。観察の練習では注文する必要はありません。