**支持線と抵抗線は、過去に下落や上昇が止まった場所をもとに引く目印です。**次も同じ所で止まると決める線ではありません。この記事では、線を引く場所、線を越える動き、読み方が外れたと考える条件を学びます。
部屋の床にボールを落とすと跳ね返ります。でも価格の「床」はコンクリートではありません。売買する人の注文や考えが変われば、下へ抜けます。床や天井というたとえは位置を覚える助けで、強さの保証ではないのです。
下側の支えと、上側の壁
は、価格が何度か下げ止まった場所などから、下側の支えとして注目する線です。英語でサポートとも呼びます。は、何度か上げ止まった場所などから、上側の壁として注目する線。レジスタンスとも呼びます。
架空の株が1,000円の近くで2回下げ止まり、1,080円の近くで2回上げ止まったとします。図1では、この二つの価格へ横線を引きました。期間は日足12本、縦軸の単位は1株当たりの円です。

図1:架空の12日間の終値。1,000円付近を支持線、1,080円付近を抵抗線として観察する例です。将来の反発は仮定していません。
見る順番は、まず過去の谷、次に過去の山、最後に今の価格です。どの谷や山を選んだかを日付と一緒に残すと、あとで線を動かして話を合わせることを防げます。
1円ぴったりより、場所の集まりとして見る
現実には、1回目は1,002円、2回目は998円で止まるように、少しずれることがあります。そうした場合は一本の細い線だけにこだわらず、近い価格の帯として考える方法もあります。
ただし、帯をいくらでも広げると、どんな動きも「支えられた」と言えてしまいます。たとえば「995円から1,005円」と先に範囲を決め、下へ抜けたら見方を見直す、という形で記録します。この幅がすべての株に合うわけではありません。
別の期間で引くと、別の線が見つかることもあります。5分足の支持線と日足の支持線を、同じ強さの線として並べないようにしましょう。まず、どの時間の区切りで、何日分を見ているかをそろえます。
線を越える「ブレイクアウト」を確かめる
価格が注目する線を上や下へ越える動きをといいます。図2では、前に抵抗線だった1,080円を上回ったあと、一度近くまで戻る様子を描きました。

図2:架空の終値。1,080円を越えた後、近くまで戻って再び上がる経路と、1,060円へ戻る別の経路を比較しています。実際の確率は示しません。
上へ越えた線が、今度は下側の支えとして注目されることがあります。反対に、支持線を下へ抜けたあと、上側の壁として注目する場合もあります。この入れ替わりも必ず起こるわけではありません。
図2の点線は、上へ越えたのに元の範囲へ戻った例です。線を越えた場面だけを切り取ると、どちらも同じに見えます。その後も進んだ例だけでなく、戻った例も残して読むことが大切です。
どの瞬間に「越えた」と考える?
日足の途中で1,082円になっても、最後に1,075円で終わることがあります。一瞬越えたら記録するのか、終値が上なら記録するのかで、見つかる回数は変わります。練習では「日足の終値で確認する」など、先に条件を一つ決めましょう。
確認を待つと、すでに遠くまで進んでいる場合もあります。待てば必ず有利になるわけではありません。買いたい価格から、見方が外れたときに終える価格までの差が広がれば、同じ数量での予定損失も増えます。
たとえば1,090円で100株を買い、1,060円で終える計画なら、費用前の差は3,000円。線が支えになると思っても、もっと下でしか売れなければ損失は大きくなります。線の読み方と、数量や終了の条件は一緒に考えます。
線を引いた後は、その位置を覚えるだけでなく、次の価格が近づいた時刻も残します。線から遠い所にいる間は、まだ反発も突破も確認していません。今の価格のすぐ近くへ後から線を足し、予想が当たったことにしないようにしましょう。
実際のケース:公式教材も線の役割を説明する
Fidelityの公式教材は、支持・抵抗の考え方と、価格がその水準を越える場合を解説しています。過去に注目された価格と、売買する人の考えの関係を学べる実在の教材です。
StockChartsの公式ガイドでも、支持・抵抗を線や価格帯として扱う考え方が紹介されています。どちらも道具の使い方の説明で、線を引けば利益が出ることの証明ではありません。
この記事の1,000円や1,080円は、両社が示す特定の会社の実績ではなく、役割を覚えるための架空例です。自分の画面では、価格が飛んだ日や線を何度もまたぐ日も探しましょう。
線を増やす前に、一本を説明する
画面いっぱいに横線を引くと、今の価格のすぐ上にも下にも線がある状態になります。「ここは抵抗線」と後から説明しやすくても、売買前に何を見たかが分かりにくくなります。
最初は支持と抵抗を一本ずつ選び、その理由を「直近の二つの谷が近い」など一文にします。根拠になる過去の点が曖昧なら、無理に線を引かなくても大丈夫です。見つからないという観察も残せます。
まとめ:線は、確かめる場所の目印
支持線は下側、抵抗線は上側で注目する水準です。価格が越えれば役割が変わることも、すぐ戻ることもあります。線の位置と判定の条件を先に決め、外れた経路も記録することが基本です。価格を止める命令ではありません。
次は、自分の口座で横線を二本引こう
日足を表示し、過去の近い安値と高値を二つずつ探します。支持と抵抗の候補を一本ずつ引き、何日を使ったかを書いてください。次の数日を観察し、足の途中と終値を分けて記録します。
口座がない人は、水平線の引きやすさ、価格の目盛り、過去への移動を口座・ツールの比較で確かめられます。売買では損失が出ます。線を引く練習は、実際に注文しなくてもできます。