**RSIは、最近の上げ幅と下げ幅から、値動きの強さを0〜100で表す指標です。**30だから必ず上がる、70だから必ず下がる、という数字ではありません。この記事では、何を比べているのか、目安の読み方、外れやすい場面を学びます。

温度計は今どのくらい暑いかを教えますが、明日の雨を確実に当てるものではありません。RSIも、最近の値動きの偏りを見るものさしです。数字が高いことと、すぐに値下がりすることを同じ意味にはしません。

何を0〜100で表している?

は、ある期間の上げ幅と下げ幅を、決まった方法で平均して比べます。値上がりした日の回数だけを数えるものではありません。1円上がった日と10円上がった日では、上げ幅の材料が違います。

たとえば、計算した平均の上げ幅が3円、平均の下げ幅が1円なら、上げの割合は合計4円のうち3円です。この比を100の目盛りへ直すと75になります。図1は、この数字の意味を覚えるために、すでに平均を求めた後の値を使っています。

平均上げ幅3円と平均下げ幅1円を合計4円として比率75パーセントすなわちRSI75とする架空の模式図

図1:架空の平均上げ幅3円、平均下げ幅1円からRSI75を考える模式図。実際の終値系列から計算した取引実績ではありません。

同じ日数を見ても、計算する期間や平均の作り方が違えば値は変わります。一般によく使う設定に14期間がありますが、日足なら14日分の足、1時間足なら14本分の1時間足です。14という数字が必ず最適なわけではありません。

普通の平均と少し違う点もある

一般的なワイルダー方式では、最初の平均を作ったあと、前の平均を残しながら新しい値を混ぜます。毎回その期間の値を単純に足して割る計算とは違うため、自分で作った表と画面がずれることがあります。

今は式を全部覚えなくても大丈夫です。比べる前に「期間」「元にする価格」「平均の方式」を確かめ、別の画面のRSIと数字だけで優劣をつけないことを覚えましょう。

また、下げ幅の平均がゼロで上げがあれば100になるなど、端の条件があります。すべての値動きがゼロの場合などの扱いは、道具の仕様も確認します。0や100を、未来の反転の合図として決めつける必要はありません。

30と70は、どう見る目安?

一般に30より低い所を「売られ過ぎ」、70より高い所を「買われ過ぎ」と表現することがあります。これは最近の値動きが片方へ偏っているという見方で、その会社の価値に比べて安い・高いことを直接示す数字ではありません。

強い上昇では、RSIが70を超えても高い所にとどまり、株価がさらに上がることがあります。下落でも、30より低いまま下がり続ける場合があります。目安に触れたことだけで逆向きの注文を出すと、損失が広がり得ます。

独自の架空日足終値と14期間ワイルダー方式RSI。70以上で価格が上昇する期間を表示

図2:架空の日足終値と、14期間のワイルダー方式RSI。70以上の間も価格が上がる例です。利益を予測する図ではありません。

図は上がり続ける例を意図して作っています。実際の相場で同じ形が続くとは限りません。また、RSI75は「75%の確率で上がる」でも「あと25だけ上がれる」でもありません。目盛りの数字と確率を混ぜないようにしましょう。

価格と違う動きをしたら?

価格は高値を更新したのに、RSIの山は前より低いことがあります。こうした食い違いを「ダイバージェンス」と呼び、上昇の勢いの変化として注目する見方があります。

ただし、食い違ったあとも上昇が続くことはあります。山が小さいという理由だけで、下落の始まりが確定したわけではありません。どの二つの山を比べたか、どの時間足かも記録する必要があります。

見えた山をあとから選び直すと、うまくいった例だけを作れます。練習では、同じ長さの期間で価格とRSIの両方を見て、食い違いが出ても反転しなかった例を残します。新しい用語を覚えるより、何を比べたかを説明することを優先しましょう。

RSIが70を下回った日にも、すぐ買ったり売ったりせず、同じ時刻の終値を残します。翌日と数日後の値動きを分けて見れば、一日の反応を長い反転と取り違えずに済みます。

実際のケース:FidelityとTradingViewの説明

Fidelityの公式ガイドは、0〜100の範囲、30と70の目安、強い流れの中で高い値や低い値が続く場合を説明しています。数字に触れたら即反転とする説明ではありません。

TradingViewの公式解説では、14期間の計算例にワイルダー方式の平均を使っています。設定や計算方式をそろえる必要を、実際の道具の仕様から確認できます。

このように公式に紹介された指標でも、道具の採用と収益の実績は別です。この記事で示すRSI75や図の値動きは、実在の運用成績ではありません。

観察するときは、価格の位置も一緒に残す

RSIだけを切り取ると、上昇中なのか横ばいなのか、直前に大きく下がったのかが分かりません。日付をそろえて価格と並べ、価格が前の高値や安値のどちらに近いかも書きます。

また、足が終わる前のRSIは、現在値の動きで変わります。途中で70を越えても、終値では68になる場合があります。「日足の確定後に記録」など時点をそろえれば、あとから違う条件を比べる間違いを減らせます。

まとめ:偏りを見る数字と、未来の答えを分ける

RSIは最近の上げ幅と下げ幅を比べる道具です。30や70は観察の目安で、必ず反転する境目ではありません。価格、時間足、期間、平均の方式をそろえ、極端な値が続く場面も見ることが基本です。

次は、自分の口座で70以上の日を探そう

日足に14期間のRSIを表示し、70以上になった日の前後の価格を見ます。すぐ下がった例と、そのまま上がった例を一つずつ探してください。記録は確定した足にそろえ、設定も残します。

口座を持たない人は、RSIの設定説明、上下二段の見やすさ、過去の表示を口座・ツールの比較で確認しましょう。売買には損失があり、RSIだけで注文する必要はありません。まず数字の意味を自分の言葉で説明する練習です。